ハンセン病市民学会にご参加ください

 ハンセン病国賠訴訟の熊本地裁判決が出されて、まもなく4周年になろうとしています。 しかし、一昨年11月に熊本で発生したホテル宿泊拒否事件は、国や自治体だけでなく私たち市民にも 、判決に満足していてはならないことを痛感させました。
 新しい偏見・差別が今も生み出されて いる現実と照らし合わせて考えると、ハンセン病に対する偏見・差別の解消は、社会に根強いこうした差別のま なざしがなくなることなしにはあり得ません。
 今日、ハンセン病問題が投げかけている意義を前進させ ていくことは、私たち一人ひとりの生き方、社会のあり方にとってますます重要になってきています。
 私たちは、今、その第一歩として、一過性に終わらず、誰でも参加でき、そこで様々な立場の人たちが交 流し、ハンセン病問題の現状と課題を深く理解しあえる場を恒常的に設けていくことを提案いたします。 その場を、ハンセン病問題の過去を検証し、現状を分析し、将来に向けた提言を行なう場として皆さんと 共有したいと考えています。

 この学会は、交流、検証、提言の3つを活動の柱にします。
1.交 流活動:ハンセン病体験者だけではなく、ハンセン病問題に深い関心をもつ人たちが、同じ当事者としてそれぞれの立場で率直 に意見交換をし、交流する場を設けます。
2.提言活動:ハンセン病体験者の高齢化が進んでいく中で生 じている入所施設の将来のあり方や、退所して社会復帰した方々がおかれている状況、また差別や偏 見を解消していくための取り組みのあり方など、直面する様々な課題にみんなで智恵を出し合い、構 想をまとめ、国や自治体及び社会に提言していきます。
3.検証活動:ハンセン病の歴史の検証は 緒についたばかりです。全国には埋もれている資料や隠された事実がまだまだたくさんあると思 います。それらを発掘し検証することで、ハンセン病問題の歴史が正しく認識されるよう務めます。

 具体的な活動を行っていくにはこれから多くの議論を必要としていますが、まず第 一歩としてこの学会の設立総会と第1回目の交流集会を、熊本地裁判決が出された5月11日 直近の5月14日と15日に行うことを予定しています。   学会の設立と活動に皆様のご参加を呼びかけます。