宗教部会
第一回交流学習会(沖縄エリア)開催報告
〔集会報告〕
去る6月20日、沖縄県那覇市のぶんかテンブス館にて、下記の開催趣旨のもと、第一回交流学習会を開催、宗教部会が実質的スタートを切りました。
この集会は、「沖縄愛楽園自治会」ならびに、沖縄においてハンセン病問題に取り組む市民グループである「ハンセン病問題ネットワーク沖縄」との共催という形で開催いたしました。それぞれの地域のハンセン病療養所、あるいはその地域に住む回復者の方々、そしてそこで活動される人たちとの有機的な連携をベースにした取り組みや、学習研究活動を行っていきたいという宗教部会の方針を思ったとき、この三者共催の形は願いにかなうものでありました。今回の報告を、沖縄で地元密着の研究活動を続けておられる、市民学会運営委員で琉球大学助教授の森川恭剛さんにお願いできたことともあわせて、宗教部会の一つの目指すところを感じ取っていただければと思っております。
当日の参加者四十数名のうち、いわゆる宗教者は参加者の約半数で、半数が沖縄で市民運動としてハンセン病問題に取り組んでおられる人たちでした。愛楽園自治会から迎里副会長や、宮古の退所者の会の知念会長もわざわざ駆けつけてくださったことも本当にありがたいことでした。
集会は、迎里副会長の挨拶の後、本集会および宗教部会開設の趣旨(開催趣旨参照)を訓覇の方から皆さまにお伝えし、お二人の報告に移っていきました。
まず一人目は、市民学会運営委員・宗教部会世話人のカトリック神父・浜崎眞実さんで、「宗教の果たした役割と責任―検証会議最終報告―」と題する報告でした。検証会議にも委員協力者として関わっていただいた浜崎さんですが、この日は、特にキリスト教とハンセン病隔離政策との関わりを中心に、隔離政策に協力した宗教者の責任を丁寧に報告いただきました。このテーマは、今年度の宗教部会の統一テーマとしておりますので、詳細は後日に譲りたいと思います。
次に、森川さんから「青木恵哉とその時代」と題する報告をいただきました。内容は「報告要旨」をご参照いただきたいと思いますが、沖縄におけるハンセン病問題を考えていく上において、また、宗教とハンセン病問題というテーマから見ても、大変刺激的な報告でありました。
そして最後に京都から参加の菱木政晴さんの司会によるディスカッションを行い閉会となりました。ディスカッションでは、特に「救癩」という概念について、森川さんの報告を宗教的課題として受けとめる形で、ハンセン病を患った人たちに対する「宗教的救済観」の確かめという課題との相関性などについて多くの意見が交わされました。この内容についても、整理をした上で改めてご報告したいと思います。
以上が、当日の集会の概要ですが、ハンセン病問題と宗教という課題を様々な立場の人たちと共に考えることができたという点でも、第一回の交流学習会としてふさわしいものとなったと総括しております。今後も各地で、それぞれの地域性や、そこに集う人の問題意識を大切にした交流学習会を開催し、その内容を皆さまにお伝えしていきたいと思います。
(宗教部会世話人・訓覇 浩)
〔開催趣旨〕
2001年の熊本判決を受けて、国の責任において真相究明を行なう「ハンセン病問題に関する検証会議」が設置され、本年3月に最終報告が厚生労働大臣に提出されました。各界の隔離政策に果たした役割と責任が多岐に渡って報告されていますが、今後の課題は、この検証会議の報告を、国がどれだけ真摯に受け止めるかを注視する事と、ハンセン病問題をめぐる市民の取り組みにおいて生かしていくことだと思います。
また、検証会議で十分に明らかにできなかった課題について、今度は市民レベルで、一人ひとりが当事者意識を持って、しっかりと検証を続けることが求められています。先月14日に設立されたハンセン病市民学会は、そのような課題も強く意識し、交流・検証・提言を三本柱に活動を行なっていきます。
今回の集会はその新たな流れの第一歩として、沖縄のハンセン病問題と宗教の関わりについて、一緒に考えたいと思います。テーマは「宗教と沖縄のハンセン病問題」といたしましたが、沖縄愛楽園は、全国の国立の療養所と異なり、ハンセン病患者であり、キリスト者であった青木恵哉が、安心して暮らせる場を求めて療養所の設立に尽力した経緯があります。しかしその後、国の政策の中では、強制隔離の現場となりました。青木恵哉はそのことをどのように受け止めていたのか、また、青木恵哉の宗教者としての一面は愛楽園の歴史にどのような影響を与えたのか。その辺りを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
| 「宗教と沖縄のハンセン病問題」 ―青木恵哉とその時代― ・期 日 2005 年6 月20 日(月) 午後1時〜4時 ・会 場 ぶんかテンブス館(3階) NPO 支援センター隣ミーティングルーム 〒900-0013 那覇市牧志3-2-10 ・内 容 1. 報告:「宗教の果たした役割と責任―検証会議最終報告―」 浜崎眞実 (ハンセン病市民学会運営委員・カトリック神父) 2. 報告:「青木恵哉とその時代」 森川恭剛 (ハンセン病市民学会運営委員・琉球大学教員) 3. ディスカッション |