ソロクト・楽生院訴訟
台湾の判決に対する控訴を断念し、直ちに平等な補償をおこなえ
―ソロクト判決糾弾および補償を求める人権市民団体の声明―
日本の東京地裁は2005年10月25日、植民地時代のソロクトにおける強制隔離、強制労働等によって人権侵害を受けた韓国ハンセン病元患者たち117名が2004年8月23日、日本政府に対して行なった補償請求に対して原告敗訴の判決を申し渡した。一方、同様に当時の日本によって強制隔離を受けた台湾楽生院のハンセン病元患者25名の請求に対しては原告勝訴の判決を申し渡した。小泉首相は2001年5月11日、熊本地裁判決によって明らかになったハンセン病元患者に対する強制隔離による差別と偏見を認定し、名誉回復のための措置およびハンセン病補償特別法にもとづく補償を実施した。特に「旧らい予防法」によって直接的な被害を受けなかった琉球政府時代の現沖縄県の療養施設入所者のみならず、私立の療養所の入所者も同一に救済した。
しかしながら、日本政府は唯一、韓国のハンセン病元患者に対しては日本の国立療養所等にはあたらないとして補償要求を拒否、あまつさえ、司法までが厚生労働省の形式論理にくみして人類普遍の平等と人権、国家と民族を越えて加えられた差別を無視した。つまるところ、ソロクト裁判の判決は、過去に日本が行なった徴用、徴兵、従軍慰安婦などにくわえて、ハンセン病元患者と韓国国民に与えた司法の暴力に他ならない。
ところで、最近の日本のマスコミ報道によれば、厚生労働省が台湾の判決に対して控訴を断念すると、楽生院入所者にハンセン病補償法によって最低でも800万円の補償金を支払わなければならないため、台湾、韓国の元患者に対する補償金額、補償対象者認定方法などを別途検討するという理由から「控訴したうえで和解する」ことを検討していると伝えられている。
これにたいして、私たちは、ソロクトの元患者たちに対する実質的な補償に目をそむけた新たな差別として心から憂慮しないではいられない。
まず、原告たちの平均年齢がすでに81才を越えており、補償請求をしている原告が請求後、21名も亡くなっていることをあげておきたい。解決が一日も急がれているのである。また、厚生労働省の控訴の方針からは、日本の元患者たちと同じまたはそれ以上の人権蹂躙を受けてきた元患者たちに対する補償額、対象について差別をしようとする意図を認めざるを得ない。さらに補償対象者の選定問題は支給審査の手続き、技術的な問題にすぎず、控訴する理由としては意味がない。
日本政府は台湾の判決控訴を断念して速やかに平等な救済のために即刻、補償作業に着手すべきである。日本政府に対して、熊本地裁の判決に沿って、平等と人権に関する人類普遍の良心を回復し、台湾の判決に対する控訴断念と台湾・韓国の元患者に対する速やかな謝罪と補償を強く求めたい。私たちは日本の裁判所が下した差別的な判決のみならず、日本政府の差別的な補償にたいする考え方に断固として市民団体の総力を結集して闘うことを宣言する。
1. 台湾の判決の控訴を断念し、平等な補償を行なえ
1. 差別判決はとんでもない。謝罪し、補償をせよ
1. ソロクトは泣いている。日本政府は謝罪せよ
韓国ソロクトハンセン病患者補償請求訴訟弁護団/文化改革市民連帯/民主言論運動市民連合/民主社会を求める弁護士会/仏教人権委員会/ソロクトを愛する会/人権実践市民連帯/人権運動サランバン/人道主義実践医師協議会/駐韓米軍犯罪根絶運動本部/社団法人挺身隊問題協議会/チャムギル会/天主教人権委員会/太平洋戦争被害者補償推進協議会/韓国家庭法律相談所/韓国労働社会研究所/韓国女性団体連合/社団法人ハンビッ福祉協議会/環境訴訟センターほか21団体
訳:韓国通信・日韓市民運動交流「連帯」小原 紘 さん