ソロクト・楽生院訴訟

HP恨生(はんせん)管理人 山口進一郎


厚生労働省の台湾楽生院訴訟の控訴に対し、憤怒の思いで抗議する!

 11月8日、厚生労働省は台湾楽生院の原告に補償を命じた判決を不服として控訴した。
 「ハンセン病補償法」の趣旨は日本の隔離政策によって被害を受けた全ての人たちに対して謝罪と補償をすることである。10月25日の判決は、厚生労働省に補償を命じた。「ハンセン病補償法」の趣旨にそうかたちで出された当然の判決である。
 今回の国の控訴は植民地支配という差別と偏見の中で日本以上に苦渋を強いてきた原告の人たちに対して、さらに苦難の荊の道を歩ませる結果となった。原告の平均年齢は80歳を超えている。提訴からすでに多くの方が亡くなられている。これから控訴審をむかえ、どれくらいの人たちが「恨」から解放されず残された時間を過ごさねばならないのか。厚生労働省の控訴決定に対して憤怒の思いで抗議する。

厚生労働省・国会は覚醒しろ!

 厚生労働省は今回の判決に対し「ハンセン病補償法」はあくまで、国内のハンセン病療養所の入所者に対して精神的苦痛を慰謝することを主眼とするもので、国外の療養者の元入所者を対象にしていないと主張している。また、「ハンセン病補償法」の立法過程で台湾楽生院や、韓国小鹿島更生園入所者の対応については把握しておらず、今後の検討課題とした経緯があり「ハンセン病補償法」での補償はできないと判断している。
 このように厚生労働省・国会は当時の自分たちの怠慢と無責任な認識を全て露呈しつつ、被害者である原告の救済には一切目を向けない不当な見解であり、不当な控訴と言わざるを得ない。今からでも遅くない、台湾楽生院訴訟の判決を真摯に受け止め、過去の植民地支配という歴史認識を踏まえ、被害を受けた人たちに平等の原則に立ち謝罪と補償をし、早期解決をはからなければならない。

厚生労働省は「ハンセン病問題に関する検証会議」報告書に基づき「ハンセン病補償法」の告示改正し、早期解決をはかれ!

 2005年3月「ハンセン病問題に関する検証会議」最終報告書が出された。日本のハンセン病政策による被害は韓国小鹿島更生園、台湾楽生院だけでなく、「関東州」「満州」東南アジア、南洋庁が置かれた太平洋地域、パラオ、サイパン、ミクロネシア、マーシャル諸島の国・地域での実態を報告している。
 厚生労働省・国会は「ハンセン病補償法」制定時、韓国や台湾の被害を見過ごした。二度と同じ過ちを繰り返してはならない。植民地支配・占領支配という歴史的背景をしっかり受け止め、日本のハンセン病政策によって被害を受けた全ての人たちに対して謝罪と補償し、早期解決しなければならない。残された時間はない。

植民地・占領地における療養所非入所者に対する謝罪と補償を行え!
  
 2005年10月25日、植民地下の小鹿島更生園に入所後、定着村(ハンセン病回復者自立村)で生活する274人が補償請求を求めて東京地裁に提訴した。当然の帰結である。次の課題への大きなスタートである。当然、謝罪と補償の対象である。
 植民地・占領地域において日本のハンセン病政策により被害を被ったのは、小鹿島更生園・台湾楽生院に強制収容、強制隔離された人たちだけではない。植民地支配下、差別と偏見の中、生活の糧を求めて、命をつなぐことを求めて流浪の生活をせざるを得なかったハンセン病患者がいたことを忘れてはならない。小鹿島更生園に入所させられた人たちと同じく人権侵害と植民地下の苦渋な生活をせざるを得なかった事実がある。植民地支配下、流浪の生活を余儀なくされ、現在、定着村(ハンセン病回復者自立村)で生活している被害者も多い。補償と謝罪の対象として論議しなければならない。
 二度と同じ過ちは繰り返してはならない。厚生労働省・国会は、これらの被害者に、目を向け早期解決をはかる必要がある。
2005年11月9日 

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