市民学会の皆様、ご無沙汰しています。先日11日、12日の集会は、たくさんの方々が出席なさったとのこと、川邊さんからお聞きしました。私たちのクリニックは、12日にはじめて休日診療当番に当たってしまい、市民学会に出席できませんでした。この次の当番は、何と1月1日の元旦で、年末年始の出勤当番のやりくりで悩んでいます。
クリニックの近くに、保育園があります。ここの園長先生から、園児たちの検診依頼を受けました。年に2回、私たちのクリニックからお昼ね時間に出張して、おチビさんたちの検診をします。中には、クリニックにくる子供たちもたくさんいて、「おうえんの先生!」とはしゃいで迎えてくれます。先日予防注射で泣いた子も、今日はみんなと一緒で、にっこり笑ってくれました。年長さんのお姉さんと、年少組の妹二人で、アトピーの治療に来る姉妹がいます。若いお父さんが、いつも大忙しで連れてきます。ある退所者の方は、この子達がくる時間帯に、よく一緒になります。かなりやんちゃな姉妹ですが、このおじさんとは仲良しで、先日二人で取り合いしたぬいぐるみを、おじさんに見せていました。
実りの秋本番で、農家の方たちから、色々な作物を頂きます。里芋、薩摩芋、大根、ほうれん草、人参などなど、新鮮な野菜がクリニックの勝手口に並びます。外来に来る人たちにお分けしないと、とても消費できません。近くに日大芸術学部があり、そこの学生たちが時々来ます。中には、“なるほど芸術学部”とうならせる風貌の若者もいます。彼の湿疹の治療がうまく行っていない原因を色々聞いていると、十分な栄養と休養が取れていないことが判りました。奇抜なモヒカンカットですが、毎食自炊しているとのこと、帰り際に、頂いた大きなキャベツと新鮮なほうれん草の一抱えを持たせました。
10月24日、私たちには大きな変化が起きました。私の母が、郷里の三重県からこちらに移ってきたのです。1年前から急激に体力が落ちて認知症も出現し、しばらくグループホームに入っていましたが、ここにもいられないほどに機能低下が進んでしまいました。日本の老人医療と介護の問題を、じかに体験しているこのごろです。今元気な私たちも、何時か通る道、かも知れません。
先月は、北海道と沖縄から、それぞれ退所者の方が来られました。二人とも、第一線で活躍されています。一通りの診察と必要な検査をしたところ、お一人はちょっと気になる結果が出たので、近々またお会いすることにしています。去年の開業以来、退所者の方々には、血清の菌特異的抗体を測る検査をしています。これは以前多摩研(今のハンセン病研究センター)で、和泉先生にお願いしていた検査ですが、先生が出られてからは検査してもらえなくなりました。そこで、奈良大学の藤原教授にお願いしたところ快く引き受けていただき、それ以後ずっとお願いしています。藤原先生は、かつて和泉先生とともに、この検査で使うらい菌特異抗原を開発された方ですが、実は私の高校時代の同窓生なのです。藤原先生とのご縁で、奈良大学とは色々お付き合いがあります。かつて大学職員を対象に、ハンセン病問題の講義をさせていただいたこともありました。全生園裁判では、地裁判決後の署名にも協力していただきました。今年藤原先生が私たちのクリニックを訪問してくださった時には、退所者の方たちに集まっていただいて話が弾みました。彼と同窓生の私は「藤原君」とつい呼んでしまいそうですが、皆さんの検体(血清)を送るたびに、彼の無償の協力に頭が下がります。今の日本でこの検査をお願いできるのは、彼の研究室だけです。
本格的な冬に向かっています。風邪にご注意ください。
ではまた、お便りいたします。