北京オリンピックまで、あと三週間となった。
この期間中は、「精神病、ハンセン病、性病、開放性肺結核の伝染病に罹患している」外国人は、入国を拒否する、と北京五輪組織委員会の公式HPに掲載されている。「五輪期間における外国人の出入国・中国滞在期間に関する法律指針」というものだが、その情報をえて驚いた「ハンセン病市民学会」は、とにかく、行動をおこすことにした。 ほかの病気の患者さんの入国禁止も問題だが、とにかく、ハンセン病については法律指針から外すように、と中国大使館と政府(厚労省)に要望書を提出し、記者会見をおこなった。「参加」がモットーのオリンピックで、疾病を理由に「排除」がおこなわれるのは悲しいことだ。まして、世界的な祭典の舞台で、差別と偏見が助長されるのは、時代への逆行である、と考えて私も出席した。差別は主張しなければ気づかれない。
六月の国連人権理事会では、日本政府が提案して、「国連加盟の各国は、ハンセン病患者とその家族に対する、すべての差別を撤廃するための措置を取る」との決議案が可決され、中国もその共同提案国だったのだ。私たちの要請を受けて、外務省は、ちかく北京で開かれる局長級の「日中人権対話」で是正を働きかける、という。中国のハンセン病患者の隔離は、日本占領時の影響だった。
東京新聞『本音のコラム』2008年7月15日掲載
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