1. はじめに
ずっと気になっていたハンセン病
数年前、研修会で映画「あつい壁」を見ました。こんなに残酷なことが過去、実際に起こったことに、大変衝撃を受けました。それまで、ハンセン病に関して、何も知らずに過ごしてきたことを申し訳なく思う気持ちでした。その後、「風の舞」の映画鑑賞と菊池恵楓園の生野さんのお話を聴く機会がありました。当事者の方のお話もまた、大きなショックでした。そんな厳しい半生を送りながらも、「共生できる世の中を作りたい」というメッセージが伝わってきました。生野さんの強さ、やさしさに心を打たれました。 また、中学校には、数年前より中学1年生向けに「わたしたちにできること」というハンセン病啓発パンフレットが届きます。(熊本地裁の判決の結果、国が過去の責任を取るための具体的な取り組みの一つだそうです。)このハンセン病のパンフレットを使って、しっかり学習することが大切だと感じていました。
直方第二中学校の紹介

直方市立直方第二中学校は、遠賀川に沿って開ける筑豊平野のほぼ中央に位置する福岡県直方市にあります。明治以降は、石炭で栄えた街でしたが、最近では、"花のまち"を目指して、季節毎にたくさんの花々を楽しめる街になりました。直方第二中学校の生徒数は720名ほどで、生徒会活動、部活動が盛んに行われています。大相撲「魁皇」の出身校でもあります。
2. 「いのちの授業」に取り組むまでの経過
生徒の様子から
「何でうまれてきたのか?」「生きる意味がわからん」「生きることに飽きた」「死にてぇ〜」と口にする生徒、人へ向けられた「殺すぞ!」「死ね」という刃のような言葉に心が痛みます。また、それぞれの状況から、自らを傷つけることで、自分の存在を確かめている子どももいます。自分の思いをだせず、人とのコミュニケーションをとることが苦手なため、トラブルを起こしたり、不登校になってしまう子ども達もいます。子ども達のおかれている状況は、思春期の揺れ動く時期だからということだけではないような気がします。様々なプレッシャーの中で、もがき苦しんでいるようにも見えます。そんな生徒達を目の当たりにしていて、何かできることはないかと取り組みはじめたのがいのちの授業です。